テニスボールの種類と選び方 おすすめのテニスボールもご紹介
テニス(硬式)で使用するテニスボールは、そのほとんどがきみどり色のボールです。大きさもほぼ変わらないので、見た目の違いがほぼありません。
しかし、実際にはたくさんの種類があり、メーカーによって特徴があります。価格も変わってくるのです。そのため、どのボールを買えばいいか、迷うことがよくあると思います。
この記事では、テニスボールの種類や選び方について詳しく解説します。
テニスのボールとは
テニスボールは球状のゴムでできており、中は空洞です。ゴムの周りはフェルトで覆われています。ボール内部の空気圧やフェルトの状態が、ボールの弾み方や飛び方などに影響するのです。
テニスボールは消耗品ですから、意外とコストがかかります。つい安いものに目が移りがちですが、自分に合ったボールを選ぶことが大切です。
テニスボールの種類
メーカーや商品によって内部のゴムや外側のフェルトが微妙に違うため、それぞれに特徴があります。そして、まず最初に押さえるべきこととして、テニスボールは「プレッシャーボール」と「ノンプレッシャーボール」の大きく2種類に分けることができます。
この場合の「プレッシャー」とは、「空気圧」という意味です。プレッシャーボールかノンプレッシャーボールなのかは、商品に必ず表記があるため、すぐにわかります。
多くの場合、プレッシャーボールには『P』、ノンプレッシャーボールには『NP』という表記が使われています。
プレッシャーボール
プレッシャーボールは、内部の空気圧とゴムによって弾みます。ゴムの内部に、外気圧よりも高いガスが入っており、それによって高い反発力が生まれます。
プレッシャーボールは、ボールのガスが抜けないように、缶やビニールバッグなどの特別な容器に入れられています。これにより、使用時に開封するまで、缶内部も空気圧が高くなっているからです。開封時にプシュッと音がなって空気が出ていくのもこのためです。
空気圧でボールが弾むので、軽くて爽快な打球感を得られます。プロを含めて大会で使われるのはプレッシャーボールです。そのため、試合に出る人の多くはプレッシャーボールを使用しています。
ただし、耐久性はあまり良くありません。缶を開けた瞬間から劣化が始まり、使用していなくても空気が抜けていきます。時間が経つほど弾みが悪くなり、打球感が重く、悪くなります。
寿命は使用頻度により変わるため、一概に言うのは非常に難しいです。しかし、大会はほとんどの場合新しいボールで行われるため、(練習を含めて)試合時には新しいボールを使い、反対に試合を除いた練習用には、過去1-3ヶ月ほどで使ったボールを充てているケースがよく見られます。
そんなプレッシャーボールですが、素材や微妙な厚みの違いで、メーカーによって特徴にとても大きな違いが出ます。プレッシャーボールの選び方については、後ほど説明します。
ノンプレッシャーボール
ノンプレッシャーボールにはガスは入っておらず、ゴムの弾力だけで飛びます。弾力を出せるよう、ゴムに厚みを持たせています。その分、プレッシャーボールに比べてボールの重量があり、打球感も重く、硬く感じます。
ノンプレッシャーボールのメリットは、安価なことと、耐久性に優れていることです。表面のフェルトが傷んでくればボールの飛び方が変わってきますが、フェルトが擦り切れるまで使えるほど長く持ちます。放っておいても(よほどのことがない限り)劣化しません。
しかし、大会では使われないことや、打球感がプレッシャーボールと違って悪いことから、好んで使われる傾向にはありません。
もしあなたが大会出場などは考えず、遊び感覚で、あるいは1〜2回だけテニスをする、といった場合は、ノン・プレッシャーボールを利用することをおすすめします!多少の打球感の重さ・硬さは気にならないと思います。
テニスボール(プレッシャーボール)の選び方
テニスをするからには大会に出て、ひとつでも多く勝利することを目標とすると思います。そうした方はぜひ、プレッシャーボールを使用しましょう。
ここでは、コストやテニスをする頻度など、何を重視するかによって、おすすめのボールをご紹介します。
なお、プレッシャーボールの中にも、大きな大会の公式球として使われている高品質なものと、いわゆるプレッシャーボールとしての品質は十分に保ちながら、練習用として使われているものと、2種類がある点にも注目してみてください。
コスパで選ぶ
CHAMPIONSHIP EXTRA DUTY(ウィルソン)
プレッシャーボールの中では、練習用として認知されていて、比較的安価なボールです。し安価な分、耐久性はあまりありません。長く使うというより、安さを生かして常にニューボールの打球感を味わうという使い方もできるでしょう。
PRO(ヘッド)
こちらも練習用ボールとして知られていて、比較的安価なボールです。しかし、高品質で知られ、プロツアーの大会でも公式球として使用されています。
よく弾み、ボールのスピードが速いことが特徴です。また、空気が抜けにくく、フェルトの消耗も少ないため耐久性が高く、全体的に良コスパのボールです。
セントジェームス(ダンロップ)
練習用ボールの代表格で、よく使われているボールです。比較的安く購入でき、また品質も優れているので、コスパが高いと評判です。
また、大会でもよく使われる、同じメーカーで高価な「フォート」と打球感が似ているので、より安価な「セントジェームス」でフォートの打球感に慣れておくと、大会でもスムーズに試合できるかもしれません。なお、埼玉県近郊で頻繁に開催している『インスピリッツ』の試合球でもあります。
耐久性で選ぶ
DUNLOP HD(ダンロップ)※SRIXON HDの後継モデル
こちらも価格帯としては練習用のボールですが、国際大会の公式球にも採用されています。HDはHigh Durabilityの略で、つまり高耐久を意味します。それだけ耐久性を売りにしているボールです。
打球感の癖もなく、使い心地は非常に良いです。練習用ボールの中では若干高価ですが、ぜひ一度使ってみてはいかがでしょうか?
NFX(テクニファイバー)※NX1(ブリヂストン)の後継モデル
国際テニス協会の公認球で、耐久性に定評があります。特に、フェルトの耐久性は群を抜いています。よく弾むので、初心者や女性、シニアにも打ちやすいボールです。
フェルトと中のゴムの影響からか、打球感が若干鈍い印象を受けます。ただし、使ってみて納得の耐久性です。
出場大会の使用球で選ぶ
FORT(ダンロップ)-『関東ジュニア』など
試合球のひとつで、主に2つ入り1缶で売られています。関東ジュニアなど多くの大会で使われていますが、もともとトーナメント用として作られました。楽天ジャパンオープンでも試合球として採用されていたことがあります。
少し高いですが、打球感や弾み方、コントロールのしやすさなど、優れた性能です。耐久性はそれほどありません。
COURT(テクニファイバー)-主に草トーナメントなど
ブリヂストンTOUR PROの後継球としてテクニファイバーが発売しているボールです。価格帯としては練習球に入るボールですが、近年その品質からアマチュアが参加する草トーナメントなどで使用される頻度が高くなってきました。値段が安く、耐久性も悪くないので、練習用ボールにもオススメです。比較的硬いので、よく弾み、よく飛びます。
X-ONE(テクニファイバー)-主に草トーナメントなど
ブリヂストンXT8の後継球としてテクニファイバーが発売しているボールで、高品質な試合球として知られています。気候やサーフェスを問わず弾み方が安定しており、打球感もいいので、気持ちよくプレーできます。
球足は比較的速めです。表面の材質はウールと摩耗しにくいナイロンなので、耐久性にも優れています。
おすすめの使い分け
「テニスボール」と一口に言っても、それぞれに特徴やクセがあることがおわかりになったと思います。目的別に使い分けることが必要になってきますが、普段の練習にはコスパが高いボールを使用するのがいいでしょう。セントジェームスやツアープロは、使っている人も多いようです。
また、試合前には、出場する大会の試合球を使うことをオススメします。そのボールで試合を想定して練習しておくと、違和感なく試合に臨むことができます。
テニスボールのおすすめランキング
ここまで目的に応じたおすすめのプレッシャーボールご紹介してきましたが、ずばり普段からぜひ使用したいボールをランキング形式としてまとめました!ぜひ、参考にしてください。
第5位:FORT
試合球の代表格として知られるボールです。多くの大会、特に自治体のテニス連盟が主催する公式大会での採用率が高く、誰もが一度は利用したことがあるボールではないでしょうか?
球足は比較的遅めなので、ラリーが続きやすいという特徴があります。試合級とだけあって練習級よりも高めですが、大会前にはぜひFORTを使って練習してみください。
第4位:X-ONE
国際テニス連盟・日本テニス協会の公認球なので、試合でもよく使われます。高価格のボールですが、耐久性や使い勝手を考慮するとコスパは良いと言えるでしょう。
また、ブリヂストンXT8の後継球として、X-ONEをそのまま試合球として扱う大会も多くあります。癖は少なく、耐久性も高いので、練習試合で使った後に練習球として使用することもできます。
第3位:NFX
ここ最近で評価が高まってきているのが、このNFXです。独特な打球感が特徴でもあり、癖になります。
耐久性は群を抜いており、その割に安価なため、非常にコスパが良いボールという印象です。
第2位:セントジェームス
人気のある練習用ボールがセントジェームスです。部活、サークル、個人と様々なシーンでこのボールが使われています。もしかすると、ボールの中では一番知名度は高いかもしれません。埼玉県を中心に開催されている草トー『インスピリッツ』でもセントジェームスが採用されています。
価格も高くなく、試合球のような打球感を味わえることが、ロングセラーたるゆえんです。
第1位:COURT
何かと利用シーンが多くなっているのがこのCOURTです。軽快な打球感がありつつ、セントジェームスよりも耐久性には優れているように感じられます。
また、練習球として比較的安価であり、とてもコスパの良いテニスボールです。
みなさんもぜひ自分に合ったテニスボールを選んで、テニスをしてみてください!