テニスの両手バックハンドストロークのコツ プロが意識する3つのポイント
テニスはメンタルスポーツとも言われる通り、弱点があることは試合中に自分が自信をなくす要因になりますし、相手には心の余裕を与えてしまいます。
逆に、弱点がないことは大きな強みとなるのですが、バックハンドは利き手と逆側で打つため、苦手分野になりやすい傾向があります。まずは相手のバックハンドを攻めるように教わった方も多いのではないでしょうか?
そんな弱点を克服すべく、今回は、元プロテニスプレーヤーの牟田口恵美コーチより、バックハンドのアドバイスをいただきました。両手バックハンドでストロークを打つときに意識すべき3つのポイントについてご紹介します!
両手バックハンドのコツ①:肩のターン
テニスのストロークを打つ時には、身体をひねって戻すという動きが基本になります。この動きをするためには、肩をターンさせれば自然と体をひねることができますが、なぜ肩のターンが大切なのでしょうか?それは、肩のターンをしないとラケットを出すスペースがなくなってしまうからです。
バックハンドが苦手になる原因の一つに、体が正面を向いたまま手だけでラケットを引いてしまっていることが挙げられます。こうした体の使い方では、ラケットを振れるスペースがなく、小さい範囲でしかラケットを振ることができません。
肩のターンをして、ラケットを出すスペースを広く作ることが、まず1つ目のコツです。
相手に背中が見えるくらい右肩を入れる
肩のターンは、右肩(左利きの場合は左肩)を深く入れることが大切です。相手に背中が見えるくらい、内側(右側)の肩をしっかり入れるように意識しましょう。
両手バックハンドは、右手を体の反対側(左側)まで伸ばして打つ形になるので、もともとリーチ(ラケットを動かせる範囲)が狭いです。しかし、右肩を大きくターンさせればこの問題は解決でき、ラケットを振るスペースを広く作ることができます。
素早く準備して、素早くボールに近づく
こちらは、動画内の牟田口元プロのデモンストレーションを見て、まっしーが気づいたポイントでしたが、素早く肩のターンを準備し、素早くボールに近づくことも大切です。
肩のターンは、いわばボールを打つための準備です。せっかくラケットを振るスペースを広く作れても、その準備が遅いと、打点に入るのも遅れ、ラケットを出す前にボールが来て振り遅れてしまいます。
牟田口元プロが「早い準備、早い入り」という表現をしていた通り、素早く準備して、素早くボールに近づくことで、ラケットを振るときに余裕も生まれます。
両手バックハンドのコツ②:踏み込み足
続いて、踏み込み足のコツを見ていきましょう。
右足で踏み込む
フォアハンドの場合であれば、セミオープンやオープンスタンスも最近は増えてきています。しかし両手バックハンドの場合は、両腕が近寄っていて腕を動かせる範囲が狭く、踏み込んで縦の流れを作った方がボールを飛ばしやすいことから、基本的には踏み込むことが推奨されています。
右利きなら右足、左利きなら左足が、両手バックハンドの踏み込み足です。
しっかり踏み込んでラケットヘッドダウンを行う
なぜしっかり踏み込むことが大切なのかというと、自然とラケットヘッドが落ちて、遠心力を利用したパワーを出すことができるからです。
とはいえ、踏み込むタイミングが遅くなってしまい、スイングと一緒に踏み込んでラケットを振ってしまう人は少なくありません。踏み込むタイミングが遅いと、重心が後ろに残る時間が長くなってしまい、手に余分な力が入ってラケットヘッドダウンが行なわれないまま、打点との距離がつまった状態で終わってしまいます。
しっかり踏み込めるようにするには、そのタイミングをつかむことが大切です。
コツは、自分が思う以上に早く踏み込み、体重をしっかり踏み込み足に乗せてから振ることです。具体的には、ボールがバウンドするころには、ぐっと踏み込んでいることが理想です。ボールを打てる状態に素早くセットすることで、踏み込み足に重心を乗せる・ラケットヘッドダウンが行われる・ラケットを振るという一連の動作をする時間を確保できます。
両手バックハンドのコツ③:身体を残す
最後に3つ目のコツです。
身体を残す、というのが感覚的に少しわかりづらいかもしれませんが、踏み込んだあとに、そのままの勢いで体が前に突っ込みすぎないように体制を保つ、という意味です。
しっかり乗ってから残す
まず意識することは、踏み込み足にしっかり乗ってから身体を残す、ということです。
こうした体の使い方をすることで、体の軸がまっすぐになり、力が余計なところに分散しないため、軸足や臀部からもパワーが出てくるような打ち方になります。
頭とおへそを残して肩だけ入れ替える
もう一つ意識したいことは、頭とおへそを残したまま肩だけ入れ替わるイメージをもつことです。
頭と肩が同時に正面を向いてしまうと、身体とラケットが一緒に動いてしまい、ラケットが前に出てきづらくなります。そこで、頭とおへそを残して肩だけを入れ替えるイメージを持つと、肩が動くラインでラケットの可動域を出していくことが可能になります。
まとめ
以上、両手バックハンドの3つのコツをご紹介しました。
アドバイスの中では、ボールを打つまでの準備、特に肩のターン、踏み込み足をいかに早く完了させるか、といった点が何度も強調されていました。これらを練習に取り入れて、両手バックハンドの苦手意識を克服していきましょう!