テニスのATP/WTAワールドツアーとは 仕組みを解説

2021-08-09 更新
2020-07-02 作成
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プロのテニス選手は、(スポンサー契約などもありますが)試合に勝つことで収入を得ています。大会に参加し、試合に勝ってポイントを貯め、ランキングを上げていかなければなりません。

ここでは、一年間を通して世界各地で行われている大会(ツアー)と、その仕組みを紹介します。

テニスのプロテニスツアーの仕組み

プロのテニス選手は、男子は「ATP」、女子は「WTA」に加盟して大会に参加します。ATP(Association of Tennis Professionals)とは男子プロテニス協会で、WTA(Women's Tennis Association)は女子テニス協会のことで、ランキングや大会を管理しています。

プロのテニスツアーは一年中あり、各大会はもらえるポイントや賞金によって、グレード分けされています。どの大会に出るかは選手が選べますが、ATPもWTAも、上位選手は出場が決められている大会もあります。

上位の選手はシード権が与えられて本戦から出場できます。一方で下位の選手は、予選から勝ち上がっていかなければなりません。下位選手にとっては、一大会の中での試合数が増えるのでその分過酷です。

ATPワールドツアーとは

男子選手がしのぎを削るATPワールドツアーには、「グランドスラム(4大大会)」「ATPファイナルズ」「ATPツアーマスターズ1000」「ATPツアー500」「ATPツアー250」「ATPチャレンジャーツアー」があり、獲得できるポイント数や賞金によって分けられています。

1000、500、250は、優勝するともらえるポイントを表しています。わかりやすいですね。

ランキングシステム

エントリーランキング

男子の世界ランキングは「ATPエントリーランキング」で表されます。一般に「世界ランキング○位」というのがこれを指します。シーズン中は、原則月曜日から日曜日まで一週間ごとにランキングが発表されます。

ATPエントリーランキングは、直近の52週間に出場した試合のうち、18大会のポイント数の集計です。18大会とは、グランドスラムの4大会、ATPマスターズの8大会、ATP500の中で成績の良かった4大会、ATP250の中で成績の良かった2大会が対象で、その18大会で獲得したポイント数の合計でランキングを出します。

ATPエントリーランキングは、前年のポイントを持ち越せます。例えば、前年のグランドスラムで優勝して2000ポイントを獲得した場合、翌年の同じグランドスラムまでは2000ポイントを保有できるのです。

ただし、優勝を逃すと、その年に獲得したポイントとの差分だけ保有ポイントが減ることになります。

チャンピオンズレース

シーズン一年間のランキングは「チャンピオンズレース」と言われ、1月1日からシーズン終了時(ATPファイナルズに残った選手はファイナルズが最後)の大会の中で、成績の良かった18大会で獲得したポイントの合計で競います。1月1日になればチャンピオンズレースのポイントはリセットされ、全員が0ポイントからスタートです。

グランドスラムとマスターズは、たとえ初戦敗退でも欠場をしてもポイントに反映されます。欠場ならプラスされるポイントはゼロなので、これらの大会の結果はランキングにかなり影響するわけです。

下位の選手は予選敗退する可能性もあり、なかなかポイントをもらえません。そういった選手は、ATPポイントを獲得できる大会で成績のよかった18大会のポイントが合計されます。

グランドスラム

グランドスラムはテニスツアーの頂点の大会で、「全豪・全仏・全英・全米」の4つあります。前年のATPエントリーランキングが30位以内の選手(コミットメントプレーヤー)は、出場義務があります。優勝は2000ポイント、準優勝は1200ポイントと、他の大会と比べて非常に多くのポイントが稼げます。

ATPファイナルズ

一年間のツアー終了時の年間ランキング(チャンピオンズレース)トップ8人のみが出場できる大会なので、上位の選手はこの大会に出ることを目指し、シーズン終盤は熾烈な争いが繰り広げられています。

ただし、9位から20位までにグランドスラム優勝者がいた場合は、8位の選手と入れ替わり、優勝者が出場できます(優勝者が2人以上の場合は、ランキングが上の選手のみ)。また、9位以下の上位2人は補欠として待機します。

ATPファイナルズもポイントが付与されます。ATPエントリーランキングは18大会分のポイントの合計ですが、ATPファイナルズ出場選手はここでの獲得ポイントも加算されます。つまり、18+1大会分のポイントがATPエントリーランキングに反映されるのです。

ATPファイナルズは8人が2組に分かれ、総当たりの1次リーグ(ラウンドロビン)を行い、上位2名が準決勝、決勝と進んでいきます。試合に出るだけ(21万5000米ドル)でも補欠になるだけ(11万6000米ドル)でも賞金がもらえ、ラウンドロビンで1勝するごとに21万5,000米ドルと200ポイントがもらえます。

全勝優勝すれば287万1,000米ドルと1500ポイントが入るので、トップ選手はファイナルズまで厳しい戦いが続きます。

ATPマスターズ

「マスターズ1000」と言われる9大会は、優勝すると1000ポイントが、準優勝者には600ポイントが付与されます。賞金総額は大会によって異なりますが、約450万~700万米ドル。優勝賞金は約89万~119万米ドルです。

グランドスラムに次ぐ格付けのマスターズ1000の9大会をすべて制覇すると「ゴールデンマスターズ」と呼ばれ、ノバク・ジョコビッチが達成しています。モンテカルロを除く8大会は、コミットメントプレーヤーには出場義務があります。

ATP500

ATP500は、年間13大会行われています。東京で開催される「ジャパンオープン(楽天オープン)」もATP500の大会です。優勝者は500ポイント、準優勝者は300ポイントもらえます。賞金総額は約146万~315万米ドルで、優勝者には約31万5,000~67万8,000米ドルが渡されます。

コミットメントプレーヤーは、13大会の中で4大会に出場義務があります。さらに、4大会のうち1つは、全米オープン以降に行われる大会(ジャパンオープンを含め4つある)に出場しなければなりません。

ATP250

ATP250の優勝者には250ポイント、準優勝者には150ポイント入ります。賞金総額は約43万7,000~124万米ドルで、優勝者は約7万8,000~21万米ドルがもらえます。

ATP250は開催数が決まっているわけではなく、40前後の大会が行われています。コミットメントプレーヤーは、どれか2大会に出場するという義務があります。

ATPチャレンジャーズ

ATPの下部ツアーのATPチャレンジャーは、あくまで目安ですが、ランキングが100位弱以下の選手たちが主に試合をする場です。テニスの試合を見ているとランキングの差ほど実力差は感じられませんし、ハイレベルな戦いが繰り広げられます。当然番狂わせもあります。

しかし、そういった選手でも、一般的にはトップ選手が集う大きな大会では予選突破も困難です。そのため、ATPチャレンジャーで試合を重ねて、力をつけていくわけです。

ときに、トップ選手も調整のために出場することがあります。錦織選手も、ケガ明けにチャレンジャーから復帰したことでも話題になりました。

ATPチャレンジャーは年間150以上の大会が世界各地で行われており、日本でも何大会か開催されています。だいぶ少ないですが、ATPチャレンジャーも当然、ポイントや賞金が出ます。大会によってポイント数が異なり、優勝者には80~125ポイントが入ります。賞金総額は約5万4000~16万3,000米ドルで、優勝者は約7,200~2万2,000米ドルがもらえます。

ITFワールドツアー(フューチャーズ)

ATPチャレンジャーよりもさらに下の大会がITFワールドテニスツアーです。以前はフューチャーズや男子サーキットと言われていました。

この大会はATP主催のATPツアーではなく、ITF(International Tennis Federation)が運営しています。ITFとは国際テニス連盟のことで、グランドスラムや男女の団体戦、車いすテニスなどもITFが公認、運営しています。

以前は付与されていたATPポイントはなくなり、2020年より、新設されたITFポイントのみとなるようです。賞金総額は1万5,000~2万5,000米ドルとかなり低くなります。

WTAワールドツアーとは

女子テニス協会「WTA」は、ATPとはまた異なる運営主体です。WTAの大会カテゴリーの呼称が、ATPと同じく優勝者が獲得できるポイント数を冠した名称に、2021年から変更になりました。ただし、獲得できるポイント数は、ATPとWTAでは異なります。

2021年からの新しいカテゴリーは、「グランドスラム」「WTAファイナルズ」「WTAエリート・トロフィー」「WTA1000」「WTA500」「WTA250」「WTA125」となっています。

ランキングシステム

ランキングシステムは、エントリーランキング・レースランキングともATPと同じ仕組みです。ただし、ATPは18試合がランキング対象ですが、WTAの場合は過去52週間で獲得ポイントが多い16大会のポイントの合計で競います。

さらに、国別対抗戦のビリー・ジーン・キング・カップ(2020年9月に改名。旧フェドカップ)とWTAファイナルズで得たポイントも加算されます。

グランドスラム

グランドスラムはテニスツアーの頂点の大会で、オーストラリアン・オープン(全豪オープン)、フレンチ・オープン(全仏オープン)、ウィンブルドン(全英オープン)、全米オープンの4つがあります。男子や混合ダブルス、車いすテニスと同時に開催されます。

トップ10プレーヤーは出場義務があります。優勝すると2000ポイント、準優勝では1300ポイント入ります。

WTAファイナルズ

ATPファイナルズと同様、レースランキングの上位8人のみが出場できる大会がWTAファイナルズです。WTAファイナルズのポイントも、ランキングに加算されます。

優勝すれば最高で1500ポイント、準優勝すれば1080ポイントとなります。またラウンドロビンでは、負けてもポイントが入ります。そのためラウンドロビンの勝敗数によって、WTAファイナルズで獲得できる総ポイントが変わってきます。

WTAエリート・トロフィー

WTA特有とも言えるのが、この大会でしょう。WTAファイナルズ出場者は上位8人ですが、ファイナルズに出られなかった9位以下の12人(うち1人が主催者推薦)が出場します。WTAファイナルズの翌週に行われる、WTAのシーズン最後の試合となります。

優勝すれば最高で700ポイント、準優勝すれば440ポイント獲得できます。またラウンドロビンでは、負けてもポイントが入ります。そのためラウンドロビンの勝敗数によって、WTAエリート・トロフィーで獲得できる総ポイントが変わってきます。

WTA1000(旧WTAプレミア・マンダトリー、WTAプレミア5)

WTAプレミア・マンダトリーと旧WTAプレミア5を統合して、WTA1000という一つのカテゴリーになりました。ATPマスターズ1000に相当する大会です。

旧WTAプレミア・マンダトリーだった4大会は、男女共催です。優勝者には1000ポイントが、準優勝者には650ポイントが付与されます。

旧WTAプレミア5で開催されていた5大会では、優勝すると900ポイント、準優勝で585ポイントもらえます。

WTA500(旧WTAプレミア)

ATP500に相当するWTA500は、年間13大会が開催されます。日本で行われる東レ・パン・パシフィック・オープンもWTA500に含まれます。

優勝者に470ポイント、準優勝者には305ポイント入ります。

WTA250(旧WTAインターナショナル)

ATP250に相当するWTA250は、年間約30の大会が開催されています。日本で行われるジャパン女子オープン(2019年は花キューピットオープン)がWTA250の大会です。

優勝者に280ポイント、準優勝者には180ポイント入ります。

WTA125(旧WTA125Kシリーズ)

ATPチャレンジャーと同様、WTAの下部ツアーです。優勝すると160ポイント、準優勝で95ポイントもらえます。

ITF女子ワールドテニスツアー(旧ITF女子サーキット)

ITFが開催する、女子の大会の中で一番下のカテゴリー。以前はITF女子サーキットと呼ばれていましたが、2019年にITF女子ワールドテニスツアーと名称変更されました。

世界各地で年間約500大会ほど開かれており、賞金もポイントも大会によって差があります。優勝すると10~150ポイント、準優勝では6~90ポイントです。

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監修
ゴンちゃん
テニスベア・アンバサダー
慶應義塾大学ではレギュラー2番手として、全日本学生テニス選手権大会や全日本大学対抗テニス王座決定試合で活躍。卒業後はYouTuberとして活躍し一躍有名に。2020年12月よりテニスベア・アンバサダーとしてテニスベアに参画。
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