テニスのリオ・オープンとは
目次
南米で開催される数少ないテニスツアー。そのひとつにリオ・オープンがあります。2014年に新設された比較的新しい大会で、ブラジルのリオデジャネイロで、例年2月の中旬に行われます。
2014年から2016年まではATPツアー(ATP500)とWTAツアー(WTAインターナショナル)ともに開催されていましたが、現在はATPツアーのみ開催されています。
この記事では、リオ・オープンの開催地/会場、開催時期、サーフェス、獲得ポイント/賞金、歴代優勝者、そして名場面をご紹介します。
リオ・オープンの概要
2月中旬にブラジルのリオデジャネイロで開催されるリオ・オープンは、2014年から始まった新しい大会です。ブラジル初のATP500の大会でもあります。2014年当初はWTAも行われていましたが、2017年からはATPのみとなりました。
開催地 | リオデジャネイロ(ブラジル) |
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会場 | ジョッキークラブ・ブラジレイロ |
サーフェス | クレー |
開催時期 | 2月第3週 |
獲得ポイント | 500ポイント |
獲得賞金 | 総額:約176万ドル |
ドロー数 | シングルス:32、ダブルス:16 |
リオ・オープンの開催地/会場
「リオ」という略称も浸透しているリオデジャネイロは、サンパウロに次いでブラジル第2の都市で、経済や商工業も盛んな世界有数のメガシティです。リオデジャネイロといえばリオのカーニバルの印象が強いでしょうが、それだけでなく、美しい海岸線やコルコバードのキリスト像などを有する魅力的な観光都市でもあります。リオデジャネイロ港は、世界3大美港の一つに数えられています。
南半球なので、季節は日本と逆です。リオ・オープンが行われる2月は気温が高く、降水量も多くなります。
2016年のリオオリンピックが記憶に新しいという人も多いと思います。テニスでは、錦織選手がラファエル・ナダルを破って銅メダルを取ったことも感動的でした。リオ・オープンは「ジョッキークラブ・ブラジレイロ」という会場で行われるのですが、オリンピック会場からは30Kmほど離れています。
ジョッキークラブ・ブラジレイロの名前からイメージできる通り、ここは競馬関連の施設です。テニスコートは競馬場に隣接していて、6,200席のセンターコートの他、8つのクレーコートがあります。ロドリゴ・デ・フレイタス湖そばのこの一帯は緑が多く、お店もたくさん並んでいて、家族で楽しめるエリアです。
リオ・オープンの開催時期
2021年は新型コロナウィルス感染症の影響により中止になりましたが、例年は2月中旬に開催されます。
リオ・オープンのサーフェス
テニスシーズンがスタートしてからクレーシーズンに突入する4月までの大会はハードコートでの大会が多いのですが、リオ・オープンはクレーコートで行われます。
リオ・オープンの獲得ポイント/獲得賞金
リオ・オープンで、優勝者・準優勝者が獲得できるポイントと賞金をご紹介します。
ATPツアー500
ATPツアーの中で、リオ・オープンはATP500大会に含まれます。優勝者には500ポイント、準優勝者には300ポイントが付与されます。また、2020年大会での賞金は、優勝者が355,530ドル、準優勝者が178,455ドルでした。
なお、ATP500とは、男子プロテニス協会「ATP(Association of Tennis Professionals)」が運営する大会です。トップ選手が参加する主なATPツアーは「グランドスラム」「ATPファイナルズ」「マスターズ1000」「ATP500」「ATP250」とあり、その中のATP500は年間13大会行われます。上位30位以内の選手(コミットメントプレーヤー)には、ATP500の13大会のうち4大会に出場義務があり、さらに全米オープン以降に行われる大会の中で少なくとも1大会に出場しなければなりません。全米オープン以降のATP500は、ジャパンオープンを含め4大会です。
WTAインターナショナル
WTAのリオ・オープンは2014年~2016の3年間のみで、現在は開催されていません。当時は「WTAインターナショナル」のカテゴリーに入っていた大会です。女子テニス協会「WTA(Women's Tennis Association)」が運営しています
女子テニス協会「WTA」の大会は2021年より、「グランドスラム」「WTAファイナルズ」「WTAエリート・トロフィー」「WTA1000」「WTA500」「WTA250」「WTA125K」にカテゴリー分けされています。
リオ・オープンのシングルス歴代優勝者
リオ・オープンの、2014年からの優勝者をご紹介します。
男子
2021年 | 開催なし |
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2020年 | クリスチャン・ガリン |
2019年 | ラスロ・ジェレ |
2018年 | ディエゴ・シュワルツマン |
2017年 | ドミニク・ティーム |
2016年 | パブロ・クエバス |
2015年 | ダビド・フェレール |
2014年 | ラファエル・ナダル |
女子
2016年 | フランチェスカ・スキアポーネ |
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2015年 | サラ・エラニ |
2014年 | 奈良くるみ |
リオ・オープンの名場面
世界各地で開催されるテニスツアーでは、出場選手が空き時間に観光や買い物をしているとインタビューなどでも答えています。過酷な試合の間の楽しみになっているのでしょうね。
リオデジャネイロの風物詩・リオのカーニバルは、復活祭(イースター)を基準に日程が決まるので、毎年同じ日に開催されているわけではありません。しかし、だいたい2月中旬から下旬に開催されているようで、リオ・オープンの開催時期とも重なることがあるのです。
2015年、ラファエル・ナダルが、同じスペインのダビド・フェレールらとともにリオのカーニバルに登場しました。もともとリオのカーニバルに興味があって、現地入りする前から参加する予定にしていたようです。そしてリオ・オープンが開幕する前日に、念願のカーニバルに参加。満喫している様子のナダルの笑顔が写っていました。
前年の第一回大会を制覇したナダルでしたが、この年は残念ながら準決勝でファビオ・フォニーニに敗退。その前の準々決勝が午前1時に開始してフルセットまでもつれ、午前3時過ぎに終わりました。その十数時間後にまたフルセットの試合となったのですから、準決勝ではさすがに勝ちきる体力が残っていなかったのでしょうか。この年、優勝したのは、ナダルと一緒にリオのカーニバルに参加したダビド・フェレールでした。