ピックルボールとは? 歴史やルール、体験できる場所を解説

2023-07-31更新
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監修
一般社団法人日本ピックルボール協会 (JPA)
国内事業部・普及指導部
老若男女が楽しめ、それでいて競技への敷居が低く、また競技としての奥が深いピックルボール!このスポーツの素晴らしさを日本全国に広めるべく活動中!

ピックルボールとは

ピックルボールとは、1960年代にアメリカで生まれたラケットスポーツです。テニスと卓球とバドミントンを掛け合わせたような特徴があり、ラリーのしやすさから幅広い世代の人々に受け入れられています。

ピックルボールで使用するコート

ピックルボールはテニス同様、コートを使用してプレーします。バドミントンコートとほぼ同じ大きさのコート(テニスコートの約3分の1)で、センターネットを挟んでボールを打ち合います。ネットの高さはテニスとほぼ同じです。

ピックルボールで使用する道具(パドルとボール)

ピックルボールで使われるラケットは「パドル」と呼ばれます。板状で、卓球のラケットより二回りほど大きく、デザイン・材質(木製、アルミニウム製、カーボンファイバー製など)ともに豊富な種類があります。

ピックルボールで使われるボールはプラスチック製で、大きさはテニスボールより若干大きく、重さはテニスボールの半分ほどです。

ボールが軽い理由は、中が空洞で表面には多数の穴が空いているためです。空気抵抗が大きい造りになっているため、ラリーの速度が比較的ゆっくりであることがラリーのしやすさを生み出しており、老若男女がプレーに参加しやすい理由の一つです。

ボールは屋外屋内両用のものもありますが、風の影響を受けやすい屋外では穴の小さいもの、屋内では穴の大きいものを使い分けるのが一般的です。

ピックルボールの由来・歴史

このように、今でこそ道具やルールが確立しているピックルボールですが、発祥の由来は1967年に遡ります。アメリカシアトル州のとある家庭で、退屈した子どもたちに、何かおもしろい遊びがしたいとせがまれた父親が試行錯誤の末、ルールや道具を考案し、ピックルボールが誕生したのです。

ちなみに、「ピックル」という名の由来は、彼らが飼っていた愛犬にちなんでつけられたそうです。

ピックルボールの競技人口

ピックルボールは1960年代に誕生した後、北米を中心に普及し、現在のアメリカにおける競技人口は400万人以上とみられています。日本でも2015年に日本ピックルボール協会が設立されてから各地で普及し始め、子どもから高齢者まで楽しめる生涯スポーツとして愛好者が増えています。

もともとは家庭内レクリエーションの要素が強かったピックルボールですが、普及に伴い、競技スポーツ化する動きもあるようです。アメリカでは、競技を統括する国際機関としてIFP(国際ピックルボール連盟)が2010年に発足されましたが、日本ピックルボール協会は2020年にIFPに加盟しており、現在の加盟国は70ヶ国にのぼります。

ピックルボールとパデル、ショートテニスの違い

ピックルボールの類似スポーツとして、パデルやショートテニスを思い浮かべた方もいるかもしれません。たしかにテニスよりも小さいコートでラリーをする点は似ていますが、ピックルボールと、パデル・ショートテニスには明確な違いがあります。

まずピックルボールとパデルの大きな違いは、コートが強化ガラスで囲われていないということです。

パデルはテニスとスカッシュを組み合わせたようなスポーツであり、コート周りを囲う強化ガラスにボールをバウンドさせながらラリーを続けることが大きな特徴で、素早くボールを追いかけ、時に相手に背を向けながら四方八方に動き回ります。一方、ピックルボールは基本的に相手と対峙しながらラリーを続けることができるうえ、パデルよりも球速が遅いため、より多くの人に受け入れられやすいラケットスポーツであると言えるかもしれません。

ショートテニスは、老若男女がプレーしやすいという点では、よりピックルボールと似ています。しかしながら、使用するボールの種類が大きく異なります。

ピックルボールはプラスチック製のボールを使用するのに対し、ショートテニスはスポンジボールを使用します。どちらもボールを強打してもバウンド後に減速するため、ラリーをしやすい球速であることが共通していますが、ピックルボールは「カーン」という打球音が気持ちよいかもしれません。

ピックルボールのルール

ピックルボールのルールや戦略は、基本的にはテニスに準じています。一方で、テニスとは違うルールももちろん設けられています。その中にはファウルや禁止事項もいくつか定められており、動きに制限があると感じられるかもしれませんが、これらはすべてのプレーヤーが安全に楽しくプレーできることを目的としたものであり、ピックルボールのスポーツ性の根底では、やはりレクリエーションの要素が重視されていることが分かります。

ピックルボールの種目

ピックルボールの種目は、テニス同様ダブルス(男、女、ミックス)とシングルスがあります。

種目に関わらず同じコートを使用するため、シングルスは守備範囲が広い分、体力的に負荷が大きくなります。それもあってか、多くの一般プレーヤーはダブルスでピックルボールを楽しんでいるようです。

ゲームルール

ピックルボールは、3セットマッチまたは5セットマッチで行なわれることが一般的です。1セットは11点先取で行ないます。ただし10対10になった場合はテニスでいうデュースの状態となり、2点差がつくまで延長します。

サーブ

テニスと同じく、ピックルボールもサーブからゲームが始まります。ただしテニスと違って、サーブは必ずアンダーサーブを打たなければいけません。つまり、腰より下の位置で、ラケットは下から振るように打ちます。

また、テニスにはセカンドサーブがありますが、ピックルボールでのサーブは1回のみです。

さらにテニスにはレットルールがありサーブがネットインしたらやり直しとなりますが、ピックルボールの場合はサービスレットが廃止されており、サーブがネットインしてもプレー続行となります。

サーブの順番

ラリーで勝ち続けている限りは、同じ人がサイドを変えながらサーブを打ちます。

ダブルスの場合は、自分とペアそれぞれにサーブを打つ機会を与えられるため、サーブをミスしたりラリーで負けると、サーブ権は自分のペアに移ります(ただしゲーム開始時は、1回目のミス後、すぐに相手にサーブ権が移ります)。

自分のペアのサーブで始まったラリーも負けた時点で、サーブ権は相手に移ります。相手もペアそれぞれにサーブを打つ機会が回るので、相手のサーブで始まるラリーで2回勝つと、再度自分の側にサーブ権が回ってくることになります。

ポイント

ポイントの入り方がピックルボールにおける、最も独特なルールと言えるかもしれません。

ピックルボールはラリーポイント制ではなく、ポイントはサーバー側にしか入りません。つまり、自分またはペアのサーブから始まったラリーで勝てばポイントが入り、相手のサーブから始まったラリーで勝つとポイントは入らないがサーブ権を奪取することができる、ということです。

サーブ権を持っていないとポイントを獲得できないというのは、テニスを始めとする他のラケットスポーツやネットスポーツとは大きく異なるルールです。

カウントコール

ピックルボールにおけるカウントのコールの仕方もテニスとは異なります。

自分のポイント、相手のポイントの順に、サーバーがカウントをコールするのはテニスと同じですが、ピックルボールの場合は、さらに自分がペアの中で何人目のサーバーなのかを加えた3つの数字を伝えます。つまり「自分のポイント、相手のポイント、サーバーの順番」を声に出し、「ゼロゼロツー」、「ファイブスリーワン」などといった具合にカウントします。

ツーバウンドルール

サーバー側は、相手のリターンボールをボレーすることはできません。必ず相手のリターンボールが自分のコートでワンバウンドしてから返球しなければならないため、テニスでいうサーブアンドボレーはできないことになります。

これが「ツーバウンドルール」と呼ばれるのは、ラリーの初めには必ず、1球目(サーブ)のバウンド=ワンバウンド、2球目(リターン)のバウンド=ツーバウンドを挟まなければならないことに由来しています。

ノンボレーゾーン

相手のリターンが通ってラリーが始まればボレーをすることができますが、テニスと違って、ネットから2.1メートルの範囲はノンボレーゾーン(通称「キッチン」)という、ボレーしてはいけないゾーンが設けられています。つまり、ボレーは少なくともネットから2.1メートル以上離れた位置から打つことが可能です。

ネット付近からボレーをすることや、ボレーを打った直後に勢いあまってノンボレーゾーンに体が入ることはファウルとなります。

その他のファウル

ボールを体で打ち返すこと、ボールがプレーヤーの身体や着衣に触れた場合はファウルとなります。

ピックルボールを体験・プレーできる場所

日本でピックルボールをプレーするときは、体育館のバドミントンコートを使用するのが一般的ですが、ピックルボール専用コートとしては、2017年4月に長野県佐久市に屋外コートが初めて完成しました。続いて2018年12月には引き続き長野県佐久市に、国内2例目となる屋外常設コートが完成しています。さらに2020年には、栃木県矢板市にも屋根付きのピックルボールコートが完成しました。

専用のコートがない都道府県でも、サークルやチームが立ち上げられていたり、ピックルボールの体験会が行われていたりと、各地でピックルボールが盛んにプレーされています。

関東(東京・埼玉・神奈川・千葉など)

  • 茨城県日立市
  • 茨城県水戸市
  • 栃木県さくら市
  • 埼玉県川口市
  • 千葉県浦安市
  • 東京都杉並区
  • 東京都世田谷区
  • 東京都八王子市
  • 東京都町田市
  • 神奈川県横浜市
  • 神奈川県大和市
  • 新潟県新潟市

など

関西(京都・兵庫・岡山・鹿児島など)

  • 京都府内
  • 兵庫県神戸市
  • 岡山県津山市
  • 山口県山口市
  • 鹿児島県内

など

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テニスベアでは、日本ピックルボール協会が主催するすべての大会を掲載・参加募集をしています!また、今後競技人口が増えるにつれて一般のイベント数も増えることが予想されます。

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