テニスのロレックス・パリ・マスターズとは
目次
テニスシーズンもいよいよ終盤となる11月の初め、マスターズ1000の最後の大会があります。それがフランス・パリで開催される「ロレックス・パリ・マスターズ」です。ATPファイナル出場をかけた大会であり、ATPファイナル出場者以外の選手にとっては締めくくりの大会であり、大きくポイントを稼げるラストチャンスとなります。
シーズン最後ということで、約一年間戦ってきた選手たちは故障を抱えていることも多く、また来シーズンに備えたいということもあるのか、欠場や棄権する選手も見られます。そのため意外な選手が勝ち上がってくる可能性が高く、勝敗の予想が難しい大会です。
パリマスターズの概要
アメリカからスタートしたマスターズ1000は、クレーシーズンのヨーロッパを経てカナダ・アメリカ・中国と続き、最後はフランスのパリで行われます。
なお、同じATPマスターズ1000大会であるBNPパリバ・オープンと、名前が似ているために間違われることがありますが、開催場所や時期が異なる別大会ですのでご注意ください。
開催地 | パリ(フランス) |
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会場 | ベルシー・アリーナ |
サーフェス | ハード |
開催時期 | 11月第1週 |
獲得ポイント | 1,000ポイント |
獲得賞金 | 総額:約521万ユーロ |
ドロー数 | シングルス:48、ダブルス:32 |
パリマスターズの開催地/会場
フランスの首都のパリは、政治、経済、文化、歴史、観光などどの分野にも秀でた世界有数の都市です。「花の都」と称されるパリは、街自体が絵画のような美しさ。有名な美術館や劇場、名所が数多くあり、さまざまな過ごし方ができます。もちろん、ショッピングやグルメも楽しめます。
パリマスターズの時期は気温がぐんと下がるので、観光の際には重ね着ができる厚手のものを用意しておきましょう。
パリマスターズの会場はパリ12区にあるベルシー・アリーナで、「Bercy」駅からすぐです。フランス最大の屋内競技場で、スポーツ大会やコンサートなどいろいろなイベントが催されます。センターコートの収容人数は20,300人です。
パリマスターズの開催時期
パリマスターズは、10月下旬または11月初めの月曜日に始まります。その週の日曜日までの7日間、熱戦が繰り広げられます。
パリマスターズのサーフェス
パリマスターズは室内のハードコートで行われます。板の上に専用の素材を塗った「グリーンセット」と言われるコートです。
パリマスターズの獲得ポイント/獲得賞金
パリマスターズで、優勝者・準優勝者が獲得できるポイントと賞金をご紹介します。
ATPツアー・マスターズ1000
ATPツアーの中で、パリマスターズはマスターズ1000大会に含まれます。優勝者には1,000ポイント、準優勝者には600ポイントが付与されます。また、2019年大会での賞金は、優勝者が995,720ユーロ、準優勝者が503,730ユーロでした。
なお、マスターズ1000とは、男子プロテニス協会「ATP(Association of Tennis Professionals)」が運営する大会です。「グランドスラム」「ATPファイナルズ」に次ぐ格付けの重要な大会です。マスターズ1000は、年間9大会行われます。モンテカルロを除くマスターズ1000の大会は、上位30位以内の選手(コミットメントプレーヤー)に出場義務があります(条件を満たせば、出場義務が免除される)。
パリマスターズのシングルス歴代優勝者
パリマスターズの、過去10年の優勝者をご紹介します。
男子
- 2019年-ノバク・ジョコビッチ
- 2018年-カレン・ハチャノフ
- 2017年-ジャック・ソック
- 2016年-アンディー・マリー
- 2015年-ノバク・ジョコビッチ
- 2014年-ノバク・ジョコビッチ
- 2013年-ノバク・ジョコビッチ
- 2012年-ダビド・フェレール
- 2011年-ロジャー・フェデラー
- 2010年-ロビン・セーデリング
パリマスターズの名場面
冒頭で、意外な選手が勝ち上がってくることが多い大会と紹介しました。その例をご紹介します。
2019年にも1人、そういった大躍進を成し遂げた選手がいました。当時20歳のデニス・シャポバロフです。それより前から注目されていた若手選手ではありますが、この時のパリ・マスターズでは強敵を次々と倒していきます。
当時ランキング28位だったシャポバロフ、1回戦は相手の途中棄権でしたが、2回戦は第11シードのファビオ・フォニーニをセットカウント2-1で、3回戦では第6シードのアレクサンダー・ズべレフを2-1で破って準々決勝に進みました。準々決勝で第13シードのガエル・モンフィスを2-0で勝利し、準決勝進出を決めます。
準決勝は相手のラファエル・ナダルが試合を棄権したため、決勝まで進んだのです。優勝はノバク・ジョコビッチとなりましたが、シード選手を破って決勝まで勝ち上がってきたシャポバロフはの活躍は見事でした。