【プロ伝授】テニスのフォアハンドが上達するポイントとは?シンプルな打ち方になれる方法を解説!
テニスのフォアハンドは利き手側で打つため得意な人が多い傾向にありますが、更なるレベルアップをしたいという人、あるいは利き手側だからこそ自由度が高いため安定しないという悩みを抱えている人など、得意不得意に関わらずフォアハンドに課題がある人は多いかもしれません。
そんな皆さんに向けて、今回は、日本人歴代ATPランキング2位 / ATPランキング自己最高36位(シングルス)の杉田祐一プロより、テニスのフォアハンドが上達するポイントを解説いただきました!
フォアハンドが上達するポイントとなる、「シンプルな打ち方」はどのようにすれば習得できるのか、早速見ていきましょう!
フォアハンド上達のポイント①:スペース
まず1つ目は、テイクバック時に「身体の前にスペースを作る」ことです。
バランスボールを持つようなイメージで、身体の前にスペースをつくってテイクバックしましょう。そして、このスペースを常に一定に保てるようになることが上達への第一歩です。
ラケットは円運動なので、テイクバック時にラケットが身体に近すぎたり遠すぎたりすると、ラケットの軌道が安定しなかったり、ラケットを前に押し出しづらくなります。特に肘の位置が近いと、ボールを打つ時に再度肘が動いてしまい、ラケットの軌道が安定しません。
一方、身体の前にスペースをつくり、テイクバック時の肘の位置を固定できれば、ラケットをスムーズに前に押し出しやすくなります。結果としてラケットの軌道が非常に安定するため、フォアハンド上達につながります。
スペースの良い例
スペースの悪い例
ちなみにまっしーもこのポイントに課題があったようで、動画内では杉田プロより「打点が近いので窮屈そう」とご指摘をいただきました。打点が近くなりがちな方は、ボールから少し離れて、身体の前にスペースをとることを意識しましょう。
フォアハンド上達のポイント②:ターン
2つ目は、「しっかりターンする」ことです。
テニスは身体の回転運動を利用したスポーツなので、しっかり身体をターンさせることがポイントです。
身体をターンできていない、つまり身体が正面を向いてしまっていると、ラケットを腕で引かないといけなくなります。するとラケットのスイングが大きくなったり、手打ちになったりして打点のずれが生じてしまうため、フォアハンドが不安定になる原因となります。
そのずれをなるべく少なくするには、ラケットを腕で引かずに、身体をしっかりターンさせてセットすることです。
ターンの良い例
(身体をターンさせてラケットをセットすることで、腕とラケットの位置関係が変わらない)
ターンの悪い例
(身体をターンできていないので、腕で大きくラケットを引いてしまっている)
動きが大きくなればなるほど、打つポイントにずれが出てきてしまいますが、身体をしっかりターンさせれば、動きをコンパクトにすることができます。しっかりとターンすることで、杉田プロのようなシンプルで無駄のない動きにもつながります。
フォアハンド上達のポイント③:足の流れ
3つ目は、「足の流れでボールに力を伝える」ことです。
テニスは上半身だけではなく、下半身の使い方も重要なスポーツです。
下半身の力をボールにうまく伝えるために、以下の2つの点を意識しましょう。
- まずはボールの後ろにしっかり入る
- 打つと同時に前に蹴り出す
右利きの場合は、右足をボールの後ろに素早くセットして、打つと同時に前に蹴り出してあげるイメージです。この一連の動作ができれば、力まずにフォアハンドを打つことができるはずです。
1つ1つのショットに大きなパワーを使っていたら、体力を消耗し試合終盤に失速してしまいますが、このような足の流れを使って下半身の力をボールに伝えることは、長い試合を最後まで戦い抜くために必要な体力温存にもつながります。
足の流れの良い例
足の流れの悪い例
(足を前に蹴り出さず止めてしまうため、体重がボールに伝わっていない)
杉田プロのようなシンプルで省エネなテニスを目指す上で、体の動きは非常に大事なポイントです。
「小さな力でより大きなパワーを出す」
以上、テニスのフォアハンド上達のカギとなるシンプルな打ち方になる方法をご紹介しました。
- スペース:「身体の前にスペースを作る」
- ターン:「しっかりターンする」
- 足の流れ:「足の流れでボールに力を伝える」
最後に杉田プロは、「小さな力でより大きなパワーを出す」大切さを改めて強調されていました。杉田プロにとって、これが世界で戦う時の大きなポイントになっているとのことです。
皆さんも普段の練習で、今回解説いただいた3つのポイントを意識して、フォームや動きをシンプルにしながらも大きなパワーを生み出せるよう、身体の使い方を改善していきましょう!