テニスで速いフォアハンドを打つ秘訣とは?爆速フォアハンドの菊池玄吾プロが解説

2022-05-04更新
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テニスのフォアハンドは、利き手側で打つ基本的なショットです。苦手分野になりやすいバックハンドに比べると、フォアハンドなら自信がある人も多いかもしれません。しかし、より上のレベルを目指すには、速いフォアハンドを打てることが重要な要素の一つとなるでしょう。

もちろんすべてのボールが速くある必要はありません。ラリーのペースが単調にならないように様々な球種を打つことは大切です。しかしながら、速いボールは単純に返す難易度が上がりますし、オープンコートに速いボールが打てれば相手が追い付けずエースを取れるなど、速いフォアハンドを打つことでポイントの取り方を広げてくれます。

また、速いボールは単に力を入れれば打てるわけではありません。速いボールが打てるということは、体をうまく使えている証拠でもあり、他のショットに良い影響を与える可能性もあります。

今回は、爆速フォアハンドを持つ菊池玄吾プロより、速いフォアハンドを打つ秘訣について、3つのポイントを教えていただきました。

監修
菊池玄吾プロ
エキスパートパワーシズオカ
1991年生まれ。高校時代には、インターハイシングルスベスト4(2009)・ダブルス準優勝(2009)、全日本ジュニアダブルス優勝などの戦績を残し、卒業後2010年にプロ転向。2015年には、グアムフューチャーズ大会シングルスで準優勝。得意なショットはサーブとフォアハンド。

速いフォアハンドを打つ秘訣①:常に自分の打点で打つ

1つ目のポイントは「常に自分の打点で打つこと」です。

自分の打点を決める

練習経験豊富な皆さんであれば、フォアハンドを打つときに、ここで打ったら良いボールがいくという場所を知っていると思います。速いフォアハンドを打つためには、まずその打点を改めて確認し、どこで打つかを決めましょう

 

ストレートとクロスでコースを打ち分けるときには、打点は若干変わるかもしれませんが、いずれにせよ自分の打点で打てるようにすることを第一に心がけます。

決めた打点で常に同じように打つ

打点を決めたら、常に同じ打点で打てることが理想です。ボールの高さや勢いが変わっても、基本的には同じ打点で打てるように意識しましょう。

速いフォアハンドを打つ秘訣②:脚で打点に入る

2つ目のポイントは、「脚で打点に入ること」です。①で決めた打点で常に打ち続けるためには、脚を使うことが大切です。

右足で打点に近づく

右足は、右利きの人がフォアハンドを打つときに軸となる脚です(左利きの場合、軸足は左足)。その軸足を、ある程度打点に合わせたところにいつもセットできるようにしましょう。どんなボールに対しても同じ打点で打つためには、この軸足の位置ができる限り正確であることが大切です。

左足で打点との距離を調節する

右足で、ある程度打点に入った後は、左足でボールとの距離を微調整しましょう。例えば、相手が打ったボールがゆっくりだったり打点が遠かったら左足を踏み込む、速いボールを打たれたり打点が近かったら左足を引いて合わせる、といった具合です。

できるだけ自分の打ちやすい場所で毎回フォアハンドを打てるよう、脚で打点に入ることを意識しましょう。少しでもずれると、威力が弱まってしまいます。

速いフォアハンドを打つ秘訣③:脱力する

3つ目は「脱力すること」です。

フォアハンドを打つために、脱力することは必ずしも必要ではないかもしれません。というのも、力んでいても速いボールは打てるからです。しかしながら、その場合のショットは再現性が低く、無駄な力みによってミスショットが増えてしまいがちです。そのため、できるだけ脱力することが大切だと菊池プロは話しています。

グリップは2%の力で握る

テイクバックの段階では、まだ力を入れる必要はありません。グリップはゆるく楽に握る程度で、ラケットを引っ張られたら抜けてしまうくらいで構いません。動画内では、2%くらいの力で握るというアドバイスもありました。

このように脱力しておくと、ラケットの重みでラケットヘッドが自然に落ちていきます。ラケットヘッドが落ちたところから、徐々に力を入れ始めましょう。とはいえ、まだ全開の力ではなくラケットが吹っ飛んでしまわないように握るくらいです。

全身の運動連鎖を使う

ラケットを振り出していき、インパクトの瞬間に最大限のパワーが出るように、力を入れてグリップを握っていきましょう。さらにパワーを出して速いフォアハンドを打つためには、全身の運動連鎖を使うこともカギとなります。

運動連鎖とは、膝・腰・肩・腕、と各部位を順番に連動させて動かすことです。身体を先に回して最後に腕が出てくるような動きをすることで、腕を鞭のようにしならせ遠心力を使うことができます。

インパクトの瞬間のスイングスピードをMAXに上げる

これまでにお伝えしたポイントを同時にすべてできるようになるのは、すぐには難しいかもしれません。脱力ができても、体を開くスピードと打点が合わず、球が散らばることもあります。

しかし、すべてのタイミングをつかめてきたら、特にインパクトの瞬間を意識するようにしましょう。インパクトの瞬間に自分の力を最大出力し、スイングスピードを上げることこそ、速いフォアハンドを打つ秘訣となります。

”でんでん太鼓”のように、とにかく脱力する!

以上、速いフォアハンドを打つ秘訣として、

  1. 常に自分の打点で打つ
  2. 脚で打点に入る
  3. 脱力する

をご紹介しましたが、最も重要なのは「脱力すること」であり、インパクトの瞬間に必要な力を溜めることがカギとなります。動画内では、でんでん太鼓のようなイメージで、というお話もありました。

脱力することは、体の遠心力を使えるので球質が上がることはもちろん、無駄なエネルギーを消費せずに済むので試合中に疲れにくいというメリットもあります。

試合中は緊張する場面もあるかもしれませんが、そんな状況下でも脱力できるよう、普段の練習で身に付けていきましょう。

 

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