【整形外科医が動画で解説】テニスで手首が痛い!原因や予防・治療法を解説

2021-10-30更新
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「ケガと向き合うこと」は、テニスを続けていくうえで大事なことの一つです。肩、腰、膝、肘などは、テニスをしていて痛めてしまうことが多い箇所でありますが、手首に痛みを感じるケースも多くあります。

今回は、整形外科医のDr. ジミー金太郎さんに、テニスに関する手首の痛み、その原因、診断方法、治療方法、予防方法について教えていただきます。少しでも手首に痛みを感じている方、しっかりと予防したいという方、必見の内容です!

※ なお、症状や対処法には個人差があるため、確実な診断や治療を行いたい方は、お近くの医療機関を受診されることをおすすめします。

監修
Dr.ジミー金太郎
整形外科医師
整形外科医。主に整形外科の病気の解説やヘルスケア関係の話題についてポッドキャスト番組を配信中。

なお、テニスのケガでよくある「テニス肘」に関しては、別の記事でご紹介していますので、ぜひこちらもご覧ください!

テニスに関する手首の痛み、痛いのはどちら側?

テニスによって手首を痛めてしまったとき、まずは手首のどちら側が痛むのか、を把握しましょう。

親指側の手首が痛む場合は、スマホの使い過ぎなどで親指を酷使することによる腱鞘炎が原因であることが多いと言います。そのため今回は、主に手首の小指側が痛む場合について、手首の痛みの原因、診断方法、治療方法、予防方法をご紹介します。

テニスで小指側の手首が痛くなる原因

小指側の手首が痛いと、ペットボトルを開けたり、ドアノブをひねるといった動作のときに手首に痛みが出るのが特徴的です。小指側の手首が痛くなる理由として、疾患は大きく分けて2つあります。

①腱鞘炎

まず一つ目の理由は、腱鞘炎です。尺側手根伸筋(しゃくそくしゅこんしんきん)という腱が炎症を起こしています。

②TFCC損傷

もう一つの理由は、TFCC損傷です。日本語では、三角線維軟骨複合体損傷といいます。小指側の手首の中にある組織が痛んでいるというイメージです。

どちらも症状としては、手首をひねる動作や手をつく動作で痛みが出ます。

これらの疾患になってしまうのは、インパクトの時に手首だけを使っていたり、またテニス以外でも、日常生活の中で転んで地面に手を強くついてしまったりなど、手首にかなりの負荷をかけてしまったことが原因であると考えられます。また、今は症状がひどくなくても慢性的に負荷がかかると、将来的に手首が痛くなる可能性もあります。

これら2つの疾患は、腱や体の組織の話であって、骨が原因ではないのでレントゲンでは診断がつきません。炎症を起こしている部位を見つけ、問診や触診、視診に加え、エコーやMRIでの検査により診断されます。

テニスで手首が痛いときの治療方法

すでに手首を痛めてしまっている場合、テニス肘なども同様ですが、基本的には安静がとても大事です。

特にTFCC損傷による手首の痛みの場合は長引きやすいので、サポーターが出されることが多いです。それをきちんとつけて固定していれば、7割以上の人は治ると言われています。しかし、安静にできないと、手首の痛みが長引くことが多いようです。手首の痛みがかなり長引く人や、痛みが強い人は手術が必要になることもあります。

テニスで手首を痛めないようにするための予防方法

手首を痛めてしまったら治療に専念するしかありませんが、そもそも手首が痛くならないように予防する、あるいは今の痛み以上に悪化させないことが大事です。好きなときにテニスができるように、しっかりと予防をしましょう!

ストレッチ

まずは、テニスを始める前に手首のストレッチをしましょう。

手の平や手の甲を反対側の手で押して、手首をよく伸ばしましょう。テニス肘の人は肘に負担がかからないよう、肘を伸ばしても構いません。手首が伸びていることを感じながら、入念にストレッチを行なってください。

サポーター

手首が痛いときは基本的には安静という前提がありますが、痛みがあってもテニスをする場合は、サポーターをすることが大切です。病院から処方されたものがあればそのサポーターをつけましょう。

自分で購入する場合は、リストバンドのように手首全体を固定するものや、指なし手袋のように親指を出して小指側を固定するものなど様々な種類があります。使いやすいと思うサポーターを選んでしっかり着用することで、プレー中の手首への負担を減らせるようにしましょう。

テーピング

サポーターがない場合は、テーピングも役立ちます。親指側にテープをかけて手首に巻くようにすることで、小指側に曲がる動作が少なくなるようにしましょう。

フォームの修正

手首を痛めた原因がフォームにあるとしたら、フォームの修正を検討する必要があるかもしれません。

安静にして一回治ったとしても、同じフォームでプレーしていると再発する可能性があります。手首だけはなく、体幹の柔軟性、肩関節の柔軟性、肩の可動域などにも注意すると、手首の痛みの再発防止に効果的です。

手首の痛みが長引く場合は、「手外科専門医」を探すのもおすすめ

以上、テニスに関する手首の痛みについてご紹介してきましたが、手首の痛みは診断や治療が難しい部位と言われています。そこで、整形外科医の中でも手に詳しい「手外科専門医」の存在を知っておいてください。手外科専門医について、一般社団法人日本手外科学会では次のように説明されています。

『手外科専門医とは、整形外科または形成外科の専門医資格を取得した後に、指定医療機関で手外科に関する特別な研修を受け、日本手外科学会専門医試験に合格したスペシャリストです。したがって、整形外科、形成外科全般の経験に加え、手外科の診療に関し深い知識と経験を有しています』

手首の痛みが激しかったり、長引く場合にはすぐに整形外科などを受診することをおすすめします。それでもなかなか改善しない場合などは、こちらの専門医名簿を参考に、手外科専門医の病院やクリニックを探してみてください。

一般社団法人 日本手外科学会 手外科専門医名簿  

診察を受けてみると、より詳しい治療を受けられるかもしれません。テニスを長く楽しむためにも、早めのアクションを心がけましょう!

 

 

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